配偶者ビザ

もっと知りたい!配偶者ビザ

配偶者ビザ

東京のアルファサポート行政書士事務所が、配偶者ビザについてもっと詳しくご説明します。


1 配偶者ビザ(結婚ビザ)とは?

配偶者ビザとは、一般的には日本人とご結婚された外国人が日本で結婚生活を送る場合に必要な日本の滞在資格のことを指し、入国管理法という法律上の正確な呼び名は在留資格「日本人の配偶者等」であり、配偶者ビザという呼び名は俗称です。

 

そこでこの項ではまず、配偶者ビザが何であるかを正確に理解するために、ビザ(査証)在留資格についてご説明しましょう。

1-1 査証(ビザ)とは何か?

査証とは、日本に入国することについての推薦状のことを言います。誰が推薦するのかと言えば、在外公館の査証官です。推薦状であって入国保証書ではないため、査証を所持していれば必ず日本に入国できるというわけではありません。

しかしながら査証がないと(査証免除国の国民でない限り)日本への入国が絶対に認められないため非常に重要なものです。日本への入国の条件として、有効な旅券と有効な査証の所持が法律上求められているため、これがなければ日本に入国できません。

 

第二次世界大戦中にリトアニア領事として杉原千畝がユダヤ人に発給した査証は日本の通過査証でした。日本に定住するためビザではなくアメリカなど第三国への逃れるために日本を一時的に通過するためだけのビザですが「命のビザ」と呼ばれました。

出入国管理はどんなに困っていても査証がなければ入国できないという非常にシビアな制度になっています。アルファサポート行政書士事務所では、ビザの重みを強く認識し日々の業務にあたっています。

1-2 在留資格とは何か?

在留資格とは、空港や海港で入国審査官の審査をパスして上陸が許可されると与えられる日本の滞在資格のことを言います。

査証免除国のビザなしでやってきた方でも、入国するからには在留資格が与えられます。この場合に与えられる在留資格は「短期滞在」です。

短期滞在の方には在留カードは発行されず旅券に証印が貼られるのみですが、中長期滞在者には空港で在留カードが発行されます。

1-3 配偶者ビザ(結婚ビザ)とは?

一般的に「配偶者ビザ」といわれる場合には、在留資格「日本人の配偶者等」を意味しており、本当の意味での査証のことを意味していません。

表現に正確性が求められる場面では、在留資格「日本人の配偶者等」という言葉を使いましょう。

1-4 配偶者ビザの在留期限

配偶者ビザの期限は、5年、3年、1年、6か月となっています。配偶者ビザが許可されるときには、同時にこの在留期限も決定されます。

1-5 配偶者ビザと「同居」の必要性

同居との関係で問題になるのが、婚姻関係が破たんしているわけではないが同居できない事情があるケースです。

アルファサポート行政書士事務所でお手伝いさせていただいたケースでは例えば、死別した前妻との間に年頃の娘さんがおり、後妻である外国人妻との完全な同居がどうしても難しいという場合などがあります。

別居する場合でも「合理的な理由」が立証できれば大丈夫なのですが、婚姻が破たんしているのか合理的な理由があって別居しているのかは家族でもない第三者には容易には分かりませんので、立証はシビアなものになるとお考えください。

2 配偶者ビザ(結婚ビザ)の条件とその立証

2-1 両国での婚姻の成立とその立証

配偶者ビザを申請する際には、当事者の母国双方で結婚が完了している必要があります。

2-2 法的な婚姻の成立とその立証

配偶者ビザを申請する際には、法律上の婚姻が完了している必要があります。

このため、事実婚(いわゆる内縁の妻や夫)や同性婚の配偶者は在留資格「日本人の配偶者等」を申請することはできません。別の言い方をしますと、日本人の戸籍謄本にお相手の名前が配偶者として記載される必要があります。

時々お問い合わせを頂戴するのですが、残念ながら現時点では外国で成立した同性婚を日本の戸籍に反映させることはできません。

2-3 婚姻の真実性とその立証

婚姻は配偶者ビザ目的の偽装婚ではなく、真実の結婚である必要があります。

このような当たり前のことがシビアに審査されるのも、偽装婚がいかに多いかを物語っています。

偽装婚は見ず知らずの外国人のためにお金目的で戸籍を売る場合もあれば、かねてからの知人の外国人からビザに困っていると相談をもちかけられて、軽い気持ちで応じてしまう日本人のケースまで様々あります。

2017年に報道されたある偽装婚のケースでは双方の両親を互いの国に招待して写真をとるなどの徹底した偽装工作をしており、下手をすると真実の結婚の方よりも偽装結婚のほうが外形的な証拠が揃っている場合もあります。真実の結婚でも写真嫌いであまり物証が残っていない方などは、外形上の物証の量が偽装婚に劣っていることさえありえます。

婚姻の真実性を証明するために、入国管理局に提出する質問書には、ふたりの馴れ初めを書くのはもちろんのこと、プロポーズのタイミング両家への挨拶に至るまでを明らかにする必要があります。

女性は内心の移り変わりをきちんと書き込まれる方が多いのに対し、男性はイベントを時系列的に書き連ねるだけという方が多くみられるため、専門家など第三者の目を入れて、結婚に至った経緯の必然性が入国管理局にきちんと伝わる内容になっているか確認しましょう。物証の裏付けのない経緯は説得力がありませんので、なるべく証拠と紐づけるようにします。

 

年齢差が大きい方や交際期間が短い方、物証が乏しい方などは安易な申請をされると不許可になります。経験豊富なアルファサポート行政書士事務所へご依頼ください。

2-4 身元保証人の経済力とその立証

配偶者ビザを取得するためには、身元保証人の経済力が重要になります。身元保証人の経済力は主として、住民税の課税証明書納税証明書によってチェックされます。

給与の絶対額はもちろん重要なのですが、その継続性も問われます。派遣社員や契約社員などの非正規雇用であったり、正社員でも就職したばかりである場合には要注意です。婚姻生活の維持のためには経済的基盤が必要と考えられています。

配偶者ビザの審査では、職(収入)の継続性が配偶者ビザの身分の継続に密接に関連していると考えられています。このためアルバイトで月収30万円以上稼いでいらっしゃっり生活には十分な額であったとしても、アルバイトの場合には職の継続性に疑問をもらたれますので、申請は慎重に行う必要があります。

3 配偶者ビザ申請の必要書類と補助書面

配偶者ビザ申請の必要書類とは、入国管理局が受理に最低限必要としている書類であり、すべての人に共通の最大公約数的な書類を掲げています。

配偶者ビザ申請の補助書面とは、主としてご自身の申請の弱点をカバーするための様々な証拠のことを言います。

4 配偶者ビザの審査が厳しくなるケース

配偶者ビザの条件を満たしていることが明らかでない場合や立証されていない場合は、審査が厳しくなります。

5 配偶者ビザのメリットとデメリット

配偶者ビザのメリット① 就労に制限がない

配偶者ビザの取得者は、就労する職種に制限がないばかりでなく、時間制限もありません。このため非常に魅力的なビザです。

就労ビザの場合、ビザの種類ごとに行うことができる仕事が決まっています。コンビニバイトや工場における流れ作業、清掃業務などの単純労働をするためのビザはありません。留学ビザの場合、単純労働も資格外活動許可を得ることにより行うことができますが、1日28時間の時間制限があります。

配偶者ビザのメリット② 永住や帰化(日本国籍取得)の要件が他のビザの保有者よりも緩和される

配偶者ビザの取得者は、実態のある婚姻生活が3年以上継続し、かつ、日本に引き続き1年以上滞在している場合に、永住要件の1つをクリアできます。

一方、通常の就労ビザの方は、引き続き10年以上日本に滞在していなければ永住資格の要件の1つを満たすことができません。

配偶者ビザのデメリット 審査が厳しく、取得が困難なビザのひとつである

配偶者ビザの審査が厳しいのは、配偶者ビザのメリットが外国人にとって非常に魅力的であることの裏返しです。

配偶者ビザには上述のメリットがあるため、偽装結婚をしてこのビザを何とか手にしようとする外国人が後を絶ちません。元入国管理局長が監修をしたある本には、入管に持ち込まれる配偶者ビザ申請の8割が偽装婚との記載があります。

2割が偽装婚というのなら真実に紛れ込んだ虚偽を探し出す作業ですが、8割が偽装婚となると入管は偽りに埋もれている2割の真実を探し出す作業をしていることになります。

これが配偶者ビザの取得が困難だと言われる根本的な原因のひとつです。もちろん経済的な理由で不許可となる場合もあります。

6 配偶者ビザの入手の方法

配偶者ビザの申請ルートは、ご結婚されたお相手が申請時点でどの国にいるかによって決定され、大きくわけて3つのルートがあります。

6-1 お相手が海外で待っている場合

ご結婚された外国人のお相手が日本の国外にいらっしゃる場合は、在留資格認定証明書交付申請を行います。

6-2 お相手が日本に長期滞在でいる場合

ご結婚された外国人のお相手が日本国内にいらっしゃり、かつ、在留カードをお持ちの場合は、在留資格変更許可申請を行います。

ただし、技能実習ビザをお持ちの場合などは、在留資格変更申請を行うことができない場合もあります。その場合は一度本国に帰国し、在留資格認定証明書交付申請を行います。難民申請中で特定活動ビザをお持ちの場合や、留学ビザで学校の出席率が悪い、就労ビザだが無職なども要注意の類型です。

6-3 お相手が日本に短期ビザでいる場合

ご結婚されたお相手が短期ビザで日本に滞在している場合は、在留資格変更許可申請ができる場合とできない場合とがあります。

6-3-1 お相手が90日未満の短期ビザで日本にいる場合

査証免除国以外のかたなどで30日などの短期ビザしかお持ちでない場合は、在留資格変更許可申請を行うことはできません。

正確に表現すると、申請をすることはできますが(特に東京入管など都市部の入管では)審査が30日以内に出ることはありませんので、結局期限までに出国を余儀なくされます。

6-3-2 お相手が90日以上の短期ビザで日本にいる場合

査証免除国の方などでお相手が90日以上の短期ビザをお持ちの場合は「やむを得ない特別の事情」を立証できた場合に限り、在留資格変更申請が許可されます。

法律で「やむを得ない特別の事情」の立証が求められている理由は、この方法が在外公館での慎重な審査を回避する方法であるからです。

査証免除国の方はそもそも在外公館の審査をまったく受けていませんし、査証を得て来日された方も短期ビザと長期ビザとでは審査内容が異なるからです。

7 査証事前協議制度について

査証事前協議制度とは、在留資格認定証明書の提出なしにいきなり配偶者ビザの申請を在外公館にする場合に、外務省と法務省とが査証の発給について事前に協議を行う制度のことをいいます。

外務省と法務省が事前に協議をせずに在外公館だけの判断で査証を発給すると、空港での入国審査で入国を拒否される可能性がまだ残っていることになりますので、法務省が事前にOKを出した案件についてのみ査証を発給することにして、申請人が空港で入国を拒否されて追い返されることをなるべく少なくするための工夫として行われていました。

 

かつてはすべての査証をこの方法で発給していたのですが、とにかく時間がかかるということで大変不評で、その改善のために在留資格認定証明書交付制度が作られました。

査証事前協議制度がなぜ時間がかかるのかと言えば、中央官庁の情報のやり取りの仕方として、下部機関同士で直接やり取りできないことにありました。

在外公館が霞が関の外務本省にお伺いをたて、外務本省法務本省に連絡を取り、法務本省入国管理局に伝達するという方法で在外公館からの判断要請が入国管理局に伝えられ、入国管理局の判断がまた逆ルートをたどって法務本省→外務本省→在外公館へと伝えられます。

 

在留資格認定証明書制度は、入国管理局が書面を発行し、その書面を申請人が在外公館へ持ち込むことで、本省の関与をカットできるだけでなく、情報のやり取りが査証事前協議のように往復ルートではなく、入国管理局から在外公館への一方通行なのでさらに時間が短縮できます。

 

このことから査証事前協議制度は制度としてはまだ残存していますが、現在ではほとんど利用されていません。在外公館の多くはそもそもこの制度の存在をホームページ上で案内しておらず事実上利用することができない状況です。